トルコキキョウといえば、日常から冠婚葬祭まで、幅広く使われ、花色は紫、白、クリーム、ピンク、グリーン等定番のものから、人気のくすみカラーやアンティークカラーまである人気の花材です。実は東京オリンピックの表彰時の花束でも使われていました。本記事では目にすることが多いトルコキキョウの切り花について解説していきます。
トルコキキョウはどんな花?
まずはトルコキキョウの基本的な情報についてまとめていきます。
トルコキキョウの基本情報
トルコキキョウは、リンドウ科トルコキキョウ属(ユーストマ属)のお花です。他にも「リシアンサス」や「ユーストマ」と呼ばれることもあり、英名は「Prairie gentian」で、和名は「トルコ桔梗(トルコギキョウ)」です。
キキョウという名のお花もあるので、キキョウ科だと思われがちですが、トルコキキョウは日本で品種改良が進められた際に、キキョウに似ていることから「トルコ桔梗」と呼ばれるようになりました。ちなみに冠名の「トルコ」の由来については「つぼみの形がトルコ人が身につけるターバンの形に似ていたから」という説がありますが、真相は不明となっています。
トルコキキョウの切り花はオールシーズン出回り、夏が旬のお花です。1本から枝分かれするスプレータイプのお花で、お花屋さんでは適切な長さにカットして使用されます。日持ちが悪くなる夏場でも2週間ほど楽しめ、水揚げも良いお花なんです!
お花屋さんでは1本あたり800~1,200円と少し高めのお花です。
参考:公益社団法人 日本フラワーデザイナー協会 トルコキキョウ
トルコキキョウの切り花の選び方は?
本章ではお花屋さんで切り花を選ぶ際のコツをご紹介します!
1番外側の花びらにシワがないものを選ぶ
パッと見て鮮度を確かめるにはまず外側の花びらを確認しましょう。何重にも重なっている花びらのうち、一番外側の花びらの縁が縮れている場合は鮮度が落ちているため、状態をチェックしましょう。
おしべの花粉の色が、鮮やかな黄色をしているものを選ぶ
トルコキキョウは花びらがフワッと広がる咲き方をしていますが、おしべをじっくり見ることで鮮度を判断することができます。おしべが鮮やかな黄色をしているものは新鮮であり、鮮度が下がるにつれ、徐々に黒ずんできます。そのため、鮮度を見極める際には花びらの中を確認するのも大切です。
葉にハリがあるものを選ぶ
葉の状態でも鮮度を確かめることができます。緑色の葉がピンと張っているものは水しっかりと上がっている良い状態であり、一方、葉がくるんと丸まり、ハリがなくなった葉は鮮度が落ちています。葉の状態も確かめてみましょう!
トルコキキョウの切り花を長持ちさせるお手入れ方法は?
トルコキキョウだけではなく、切り花全般を長持ちさせるコツは「バクテリア(雑菌)を発生させないこと」です。
本章ではバクテリアの発生を抑える方法を紹介していきます。
水に浸かる部分の葉を取り除く
お花は水に使っている部分から腐っていき、腐るとバクテリアが発生し、水が汚れてしまいます。そのため、花瓶に生ける際には葉が水に浸からないよう心掛け、浸かってしまう場合は取り除きましょう。
毎日花瓶の水を替える
花の栄養の源である水は毎日変えるよう心掛けましょう。水替えが難しい場合には、切花延命剤を入れることでバクテリアの発生を多少抑えることができます。切花延命剤が家にない!という方は塩素系漂白剤をごく少量入れることで切花延命剤の代用となります。
水替え際に茎の先端を1〜2㎝程切ることで、水の吸い上げが良くなります!
トルコキキョウの花言葉は?
トルコキキョウには、全体の花言葉と色別の花言葉があります。
トルコキキョウの花言葉
トルコキキョウの花言葉は、『清々しい美しさ』『優美』です。しなやかで優しい花姿が花言葉の由来とされています。花言葉は花色によっても異なり、様々なシーンで花言葉に合わせて使われることがあります。次に色別の花言葉を紹介します。
紫のトルコキキョウの花言葉
紫色のトルコキキョウの花言葉は『希望』です。今ではメジャーなお花ですが、実はアメリカから日本に入ってきた直後はあまり人気なお花ではありませんでした。農家の方の品種改良の末、段々と広まり、その過程で多くの人々に希望を与えたことが由来となっています。
白色のトルコキキョウの花言葉
白色のトルコキキョウの花言葉は『思いやり』『永遠の愛』です。トルコキキョウの何重にも重なる花びらが、『相手を想う心の重なり』と重ね合わせられたのが由来となっています。花言葉の通り、ブライダルフラワーとしてよく使用される色です!
ピンク色のトルコキキョウの花言葉
ピンク色のトルコキキョウの花言葉は『優美』です。トルコキキョウを逆さまにすると、ふんわり広がる花びらが女性のスカート姿に似ており優美に感じることが由来となっています。女性へ贈る花束として選んでみてはいかがでしょうか?
このように前向きな花言葉が多くあるのも、様々なシーンで使われる理由なんですね!
トルコキキョウの咲き方はどんなものがある?
トルコキキョウは品種改良が進み、様々な咲き方があります。咲き方を見ていきましょう。
一重咲き
名前の由来になった「キキョウ」に似た星形の形です。他の咲き方と違ったすっきりとした美しさを感じる魅力的な咲き方です。
フリル咲き
花びらの縁が大きく波打ち、ふんわりとした軽やかさとボリューム感を出せる咲き方です。重たい印象にならずに、ブーケやアレンジのボリュームアップができ、ブライダルのシーンでよく使われます。
フリンジ咲き
花びらの先端にギザギザとした細かい切れ込みが入っている咲き方です。ボリュームたっぷりでメインの花材として使用されることが多いです。
バラ咲き
名前の通りバラのように花びらを巻きながら咲く咲き方で、ぱっと見てバラと見間違えてしまいそうになるほどバラに似ています。
バラの切り花を長持ちさせる手入れ方法、花言葉、特徴は?【切り花図鑑】
トルコキキョウといっても咲き方や品種によって形が異なるため、用途やイメージに合う花材を選びましょう!
トルコキキョウの切り花のまとめ
ここまでトルコキキョウの切り花について解説してきました。
最後にトルコキキョウについてまとめます。
・日常の鑑賞からウェディングやお供えなど冠婚葬祭まで様々なシーンで大活躍する花材
・複数の花をつけるスプレータイプで切り分けて活用する
・夏でも2週間ほど鑑賞でき、花もちが良いお花!
・色、形の種類が豊富でメインでもサブでも使用できる万能なお花です!