アジサイは初夏の時期を中心に出回り、母の日のプレゼントなどでも選ばれるお花。梅雨の季節のお花というイメージがありますが、輸入物も含めると最近ではさまざまな色や種類が通年出回り、夏〜秋にはアンティーク色の秋色アジサイと呼ばれるものも出回ります。本記事ではアジサイの切り花を長持ちさせるお手入れ方法や花言葉、特徴について解説していきます。
アジサイ(紫陽花)の切り花の日持ちはどのくらい?どんな花?
アジサイの基本情報についてご紹介していきます。
アジサイの基本情報
アジサイはアジサイ科アジサイ属のお花で、和名は紫陽花(あじさい)、英名はHydrangea(ハイドランジア)です。開花時期は5〜7月で、梅雨の時期のお花というイメージが強いですが、お花屋さんでは通年手に入ります。
初夏に出回るアジサイはみずみずしく、鮮やかな青や紫色、赤い色のものが多く出回ります。一方、夏〜秋に出回る秋色アジサイは緑や茶色に変化したアンティーク色のものが出回り、季節によって品種や色も異なるものが魅力のお花です。
花びらに見えるのは装飾花といわれるガクで、中心にあるのがお花です。この装飾花が手毬のように咲くタイプが切り花として出回ります。
日持ちは7日〜10日程度ですが、水が下がりやすいのでお手入れが必要です。また、値段はものによって様々ですが1本あたり800円以上、ものによっては数千円するものもあり高価な花材です。
初夏の時期は鉢植えのアジサイも多く出回ります。挿し木にすることで増やせるのも魅力ですよね。
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アジサイ(紫陽花)の切り花を長持ちさせるお手入れ方法は?
アジサイは水が下がりやすいお花の代表格です。続いて、アジサイの切り花を長持ちさせるお手入れ方法をご紹介します。
水揚げをする前に葉を整理する
アジサイには大きな葉がついています。植物は葉から水分を大気中に放出する蒸散を行うため、不要な葉を取り除き、葉から発散する水分を減らしましょう。また、葉が水に浸かるとバクテリアを発生させる原因にもなるため、水に浸かる部分の葉は取り除きましょう。
茎を斜めにカットして、ワタを取り除く
アジサイの茎をカットすると白いワタが詰まっているのが確認できます。このワタは厄介者で、お水の吸収を妨げてしまうため、切り口をカットした際にワタは取り除くようにしましょう。ハサミの先端でなぞるように削ぎ取れば大丈夫です。
カットする際は茎を斜めにすると、水に触れる断面積が広がり、お水の吸収がしやすくなります。斜めカットしたほうがワタを取り除くという観点でも効率を高めることができます。
新聞紙を巻き、深めの水に浸す
ワタを取り除いたら、新聞紙をアジサイが覆いかぶさるように巻き、深めの水に浸しましょう。この作業を「水揚げ」と呼びます。
水揚げ作業のポイントとしてはワタ取りの作業のスピードをあげること。カットした切り口が空気に触れている時間が長くなるほど、導管内に空気が侵入し、水の吸い上げが悪くなります。早くワタ取りをする自信がない方は、水の中でハサミを使って茎を切る「水切り」を行いましょう。
この作業がアジサイの水揚げの肝です。
霧吹きで水を吹きかける
1日に1回〜2回程度、アジサイのガクに対して霧吹きで水を吹きかけてましょう。植物は茎だけでなく、表面からも水分を吸収することがあり、お水が好きなアジサイに対しては効果的です。ただ、お花によって花びらが傷みシミができたりするものもあるので、向き不向きがあることを理解しておきましょう。
毎日花瓶の水を替え、茎を少し切り戻す!
アジサイに限らず、切り花を生ける際の基本ですが、花瓶は清潔な状態を保ち、できればお水を毎日替えてましょう。毎日、お水を替えるのが難しい場合は切花延命剤を使用しましょう。水を替える際、切り口を新しくする切り戻しを行うことで、水を吸い上げやすくなります。
涼しい場所に飾って楽しむ
アジサイが旬である6月は気温が高く暑い日があります。気温が高いと、花瓶内に切り花の大敵であるバクテリアの増殖が進み、切り花が傷みやすくなるので涼しい場所に飾りましょう。特に、直射日光は避け、花瓶の水温が上昇しないように管理しましょう。
ドライフラワーにするなら秋色アジサイを選ぼう
アジサイはドライフラワー向きのお花でもあるため、ドライフラワーにして楽しむ方法もあります。ただ、初夏のアジサイよりも夏以降に出回る秋色アジサイのほうが元々の水分量が少なく、ドライフラワーに向いています。そのため、ドライフラワーにする場合は秋色アジサイや向いている品種を選びましょう。
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アジサイ(紫陽花)の花言葉は?
続いて、アジサイの花言葉をご紹介してます。
アジサイ(紫陽花)の花言葉は『移り気』『家族団らん』『冷酷』
アジサイの花言葉は花の咲き方や色の変化の仕方など、アジサイの特徴から付けられています。『移り気』は、アジサイが時期によって花の色が変化することから付けられています。このことから、浮気をイメージさせ、ネガティブな印象が連想されるとして以前は結婚式や贈り物では避けられるお花とされていました。
ただ、お花が集まって咲く様子から『家族団らん』という花言葉が広まってからは、アジサイは母の日のギフトや結婚式でもOKのお花として認識され、季節感を味わえる人気のお花になっています。また、上記の他、色ごとにも花言葉が付けられています。
花色 | 花言葉 |
青 | 『冷淡』『無情』『あなたは美しいが冷淡だ』 |
紫 | 『辛抱強い愛情』『神秘』『清澄』 |
ピンク | 『元気な女性』『強い愛情』 |
白 | 『寛容』 |
緑 | 『ひたむきな愛情』 |
昔ほど気にはされていませんが、アジサイにはネガティブな花言葉、ポジティブな花言葉の両方があります。プレゼントする際にはくれぐれも相手の方へ誤解が与えないように、伝えたい花言葉を一言添えるようにしましょう。
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アジサイ(紫陽花)の切り花がぐったりしたら、しっかり水揚げを行おう。
何よりアジサイは水が下がりやすいお花です。ガクに張りがなくなり、花首から垂れてぐったりしている時は水が不足しているサインのため、まずはお水を吸収させましょう。その際、茎をカットしてワタを取り除き、水に浸すスピードを素早くできたら、元々元気がないアジサイ以外はしっかり水が上がります。慣れない場合は水切りでも大丈夫ですので、お水をしっかり吸わせれば、アジサイを長く楽しむことができます。