スイセン(水仙)の切り花を長持ちさせる方法は?日持ちや切り方、花言葉も解説!【切り花図鑑】

スイセンはお正月に飾るお花としても親しまれているお花で、春の訪れを感じさせるお花です。可憐なお花からも連想できる甘い香りを放ち、様々な楽しみ方があります。本記事ではスイセンの切り花を長持ちさせるお手入れ方法や花言葉、特徴についてご紹介します。

スイセン(水仙)の切り花の日持ちはどのくらい?どのような花?

まずはスイセンの基本情報についてご紹介していきます。

スイセン(水仙)の基本情報

スイセンはヒガンバナ科スイセン属のお花で、原産地はヨーロッパ・地中海沿岸です。和名は『水仙(スイセン)』、英名は『Narcissus』、『Daffodil』と呼ばれます。

スイセンの開花期は11月~4月で、冬から春の間限定で楽しむお花です。スイセンの切り花の出回り時期としては11月~4月であり、輸入物も出回ります。一番メジャーな品種のニホンズイセン(日本水仙)の出回り最盛期は年末頃と楽しむ期間は少し短めです。

日持ちは3日~1週間ほど、あまり長いお花ではありません。スイセンは一つの茎から複数輪咲くお花で、蕾の状態でも出回ります。この蕾は次々に咲いていくので、その様子も楽しめます。

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スイセン(水仙)の切り花を長持ちさせるお手入れ方法は?

続いて、スイセンの切り花を長持させるお手入れ方法についてご紹介します。

茎の切り口から出る粘液をよく洗ってから生ける

スイセンは切り口から粘液が出てくるお花で、粘液を処理せずにそのまま、生けてしまうと花瓶の水にとろみが出てしまい、お水が悪くなります。他のお花も一緒に生ける場合、その水がお花の持ちに影響を及ぼしてしまうこともあるため、切り口をカットした後は切り口を洗い流しましょう。また、しばらく他のバケツなどに入れてお水に浸し、切り口付近のヌルヌルがなくなってから花瓶に生けるようにしましょう。

スイセンは毒があるので注意する

スイセンは可憐なお花が非常に可愛いお花ですが、花や球根、葉も含めて全体に毒を持っています。触れる分には特に問題はありませんが、口にすると食中毒になり、最悪死に至ることもあるため、口にしないようにしましょう。

参考:スイセンによる食中毒の発生(新潟県新潟市)

みほさん

葉はニラに似ていて、間違えて口にしてしまう事例があるため、くれぐれもご注意ください。

できる限り毎日花瓶の水を替え、切り戻しを行う

スイセンの切り花に限りませんが、こまめに水替えを行い、食器用洗剤で花瓶を洗い、花瓶を清潔な状態で保ちましょう。その際、茎を切り口を切る「切り戻し」を行うことで、切り口が新鮮になり水上がりがよくなるので、切り戻しも行いましょう。切り口は断面積を広げるため、斜めにカットしましょう。

短くする場合は『袴(はかま)』を外して調整しよう

スイセン(水仙)の根元には白い筒状の部分があり、これを『袴(はかま)』と呼ばれます。この袴は葉や茎などをまとめる役割を持っており、はかまを切り落としてしまうと葉っぱと茎がバラバラになってしまいます。スイセンがよく使われる生け花において袴は重要で、『スイセンは袴が命』と言われるほどです。
葉をつけたままスイセン全体の長さを調整したい場合は、いったん袴を外した上で茎や葉をカットします。切り終えたら、茎や葉をまとめて、袴を履かましょう。そうすることで、袴を切り落とすことなく、長さを調整することができます。

袴が破れてしまうと一つに束ねることができなくなってしまうため、袴を外す際は上から葉と茎をよく揉みほぐした後、ゆっくりと下に引っ張りましょう。袴は乾燥すると破れやすくなるため、調整に時間がかかる場合は水につけておくとなお良いです。

このように葉や茎の長さを調整することを『葉組み』といい、生け花においては花の美しさを演出する技法です。

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スイセン(水仙)の花言葉は?

続いてスイセンの花言葉についてご紹介します。

スイセン(水仙)の花言葉は『自己愛』『うぬぼれ』『再生』『復活』

スイセンの花言葉はギリシャ神話のナルキッソスのお話に由来します。絶世の美貌を持ちうぬぼれの強いナルキッソスは水面に映った地震の姿に酔いしれて恋した結果、池に落ちて命を落としました。そして、スイセンの花に生まれて変わったという神話があり、そこから付けられています。スイセンの学名の『Narcissus(ナルシサス)』はナルキッソスに由来しており、ナルシストの語源ともされています。

また、スイセンは清らかさを表す白色、輝きを表す黄色を持ち合わせていることからイエス・キリストの象徴のお花されており、キリスト教文化圏の復活祭で多く飾られているそうで、そこから一度生き返ったイエスにちなみ『再生』『復活』の花言葉が付けられています。

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スイセン(水仙)の品種は?

切り花として出回るスイセンは多数あります。ここではよく見かける品種をご紹介します。

ニホンズイセン(日本水仙)

ニホンスイセンは白と黄色のお花が特徴的で、一般的にスイセンとして知られている品種です。お花のサイズは3~4cm程度で、一つの花茎に複数輪咲く姿はなんとも風情があります。

ラッパスイセン

ラッパスイセンは名前の通り、副花冠(中央部の筒状になっているお花の部分)がラッパのように突き出して見えるスイセンです。花色は黄色で、イギリスのウェールズの国家とされているお花でもあります。

 

意外と知られていないスイセンのお花の構造

スイセンの花は個性的な姿をしています。ニホンスイセンを例に構造をご紹介していきます。

花弁は3枚

ニホンスイセンの白い部分は6枚に分かれています。全てが花弁に見えますが、構造は上下に分かれており、正面を向いている3枚は花弁、一方で下の3枚は花弁ではなく萼片(がくへん)。言われないと分からないですが、実は二段構造になっていて6枚全てが花弁ではない個性的なお花であります。

カップ状のものは副花冠

お花の中央部に位置する黄色の部分は副花冠(ふくかかん)と呼ばれます。よく見ると中に雄しべと雌しべがあり、花弁の集合体を「花冠」と呼びます。スイセンは花弁があり、その内側にもう一つ花冠がある事から黄色の箇所を「副花冠」と呼びます。

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スイセン(水仙)は香りも楽しみたい早春の球根花

スイセンは香りもよく、和を感じるお花。春の訪れを知らせるお花でもあり、出回り時期も限られています。切り花としては袴を外して長さを調節する『葉組み』を行うなど、多少手間はかかりますが、より特別感を感じます。特に年末年始などに多く出回るため、ゆっくりとお花に向き合いお手入れをすることができる時に飾ってみてください。

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