秋の七草の一つとして古くから愛されてきたフジバカマ。ピンク色の小さな蕾や、それが開いて白い線状のお花がフワフワになった状態も可愛く、和風洋風どちらにも合うナチュラルなお花です。
本記事では秋の訪れを感じるフジバカマの切り花を長持ちさせるお手入れ方法や花言葉、特徴についてご紹介します。
フジバカマ(藤袴)の切り花の値段はどのくらい?どのような花?
まずはフジバカマの基本情報についてご紹介していきます。
フジバカマ(藤袴)の基本情報
フジバカマはキク科ヒヨドリバナ属のお花で、和名は『藤袴』、英名は『thoroughwort』です。フジバカマという名前は藤色のお花が咲くこと、花開いた姿が袴のようにみえることから名付けらられたとされています。
原産地は日本・朝鮮半島・中国で、日本には奈良時代に中国から渡来しました。元々は薬草の用途で日本に渡りましたが、秋の風情を感じる優しい花姿が魅力的なことから、山上憶良によって万葉集でも詠まれ、古くから愛されてきたお花です。フジバカマは『秋の七草』の一つであり、『秋の七草』とはオミナエシ(女郎花)、ススキ(尾花)、キキョウ(桔梗)、ナデシコ(撫子)、フジバカマ(藤袴)、クズ(葛)、ハギ(萩)の7つです。
お出回り時期は8月~11月頃で、お花屋さんでフジバカマを見かけると秋の訪れを感じます。ピンク色のつぼみの状態で売られているものもあれば、そのつぼみが開いて白い線状のふわふわのお花が咲くものもあります。上手にお手入れしてあげれば、白いお花が次々に咲いてきます。お店にもよりますが、値段は1本300円〜400円程度と比較的お買い求めしやすいお花です。
また、乾燥させた葉がいい香りを発することから、中国では古くから香草としても用いられ、葉を湯に入れたり、衣服や髪につけたりしてきたそうです。葉はそのままでは無香ですが、少し乾燥してきたころに桜餅のような香りがしてきます!ぜひ試してみてください!
フジバカマ(藤袴)の切り花を長持ちさせるためには?
続いて、フジバカマの切り花を長持させるお手入れ方法についてご紹介します。フジバカマは水が下がりやすいお花なので、しっかりとお手入れしましょう。
不要な葉や水に浸かる葉を取り除く
フジバカマは写真のようなギザギザと切れ込みの入った葉が付いています。葉が多いと、葉から水分が発散させる蒸散により、水分を大気中に放出し、水不足になってしまいます。フジバカマは水が下がりやすい(水が足りなくなってクタっとなりやすい)ので、不要な葉は取り除くようにしましょう。
また、残した葉が水に浸かってしまうと、バクテリアを発生させる原因となるので、水に浸りそうな部分もしっかり取り除きましょう。
茎を割ってから生ける
フジバカマの茎は硬めです。茎が硬いと水の吸収がしづらく、吸い上げ効率が悪くなってしまうため、切り口付近をハンマーが叩き割ってから生けるようにしましょう。もしハンマーがお手元にない場合は、写真のように切り口を十字にカットして切れ込みを入れることでお水を吸い上げやすくすることができます。
枝分かれ部分をカットして、分けて飾ろう
フジバカマは長く枝分かれしています。生ける際には何本かに切り分けることで、それぞれがお水を吸収しやすくなります。別れた部分の茎は比較的細いので、切り口付近を叩いてから生ける必要はありません。
できる限り毎日花瓶の水を替え、切り戻しを行う
フジバカマの切り花に限りませんが、こまめに水替えを行い、食器用洗剤で花瓶を洗い、花瓶を清潔な状態で保ちましょう。その際、茎を切り口を切る「切り戻し」を行うことで、切り口が新鮮になり水上がりがよくなるので、切り戻しも行いましょう。切り口は断面積を広げるため、斜めにカットしましょう。
元気がない場合は水切りを
フジバカマは水が下がりやすく、不足している場合は茎がくたっと曲がることがあります。元気がない場合は、紙でフジバカマを巻き、水の中で茎を数センチ切り、そのまま2~3時間ほど置いておきます。水の中で切ることにより、断面から空気が入ってくるのを防ぎ、水を吸い上げやすくします。
葉っぱもキレイなので、切り分けた葉はグリーンとして生けてもオススメです◎
フジバカマ(藤袴)の花言葉は?
続いてフジバカマの花言葉についてご紹介します。
フジバカマの花言葉は『ためらい』『遅れ』『躊躇』『あの日のことを思い出す』
『ためらい』や『躊躇』、『遅れ』は、小花がゆっくり咲いていくフジバカマの咲き方からつけられたといわれています。
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フジバカマ(藤袴)は秋の七草のひとつ!秋の訪れを感じるお花
フジバカマは万葉集でも詠まれ、秋の野に咲く花ということで秋の訪れを感じさせるお花です。ピンク色のつぼみや小花は非常に可愛いらしく、花開き広がっていく姿はとても魅力的です。出回り時期も限られているので、秋の時期にお店で見かけたら、是非手に取ってみましょう。色合いもお花の主張度も落ち着いているため、どんなお花にも合わせやすいお花です。