クレマチスは『つる性植物の女王』とも呼ばれ、細い茎にベル型の花や、大きく開く花を咲かせる、繊細さが魅力的なお花です。日本や中国原産のお花で、古くから茶花や生け花の花材として愛されてきました。近年はナチュラルな野草風のお花の人気が高まっており、クレマチスもブーケなどで活躍する人気の花材です。本記事では、そんなクレマチスの切り花を長持ちさせる方法や特徴についてご紹介します。
クレマチスの切り花は日持ちする?どのようなお花?
まずはクレマチスの基本情報についてご紹介していきます。
クレマチスの基本情報
クレマチスはキンポウゲ科クレマチス属のお花で、和名は『鉄線(テッセン)』『風車(カザグルマ)』英名は『Clematis』です。ギリシャ語で『つる』を表す『クレマ』が語源となっており、和名の『鉄線』もその丈夫なつるを鉄線に例えたことから来ています。
クレマチスの切り花はお花屋さんで1年中出回りますが、国内産のものは5月が旬!クレマチスといえば初夏のイメージがある方も多いと思いますが、まさに初夏が旬です。
切り花の日持ちは品種にもよりますが、1週間程度と短くもなく、長くもないお花です。
国内の産地は岡山県真庭市、長野県、岩手県などです。咲き方は一重咲き、八重咲き、ベル型など品種によって楽しみ方が様々です。
参考:岡山県真庭市 クレマチス
クレマチスの切り花を長持ちさせるためには?
続いて、クレマチスのお手入れ方法をご紹介します。クレマチスは水上がりが悪いお花なので、お手入れ方法のポイントをおさえて、長く楽しめるようにしましょう。
しっかりと水揚げをする
お花屋さんでも水揚げ処理がされていますが、ご自宅で飾る前にも水揚げをしましょう。水揚げ処理とはしっかりお花に水を吸わせて元気にさせることです。
手順としては新聞紙などの紙で巻き、水を張った桶やバケツの中で茎の先を切る『水切り』をし、そのまま1時間ほど置いておきましょう。この時、深めに浸すと水圧が強くなり、水が上がりやすくなります!
茎を叩く
ハサミで切るだけでも大丈夫ですが、さらに水を吸い上げやすくするには、金づちやハサミの柄の部分で茎の先を叩き潰しましょう。繊維がほぐれ、水を吸い上げやすくなります。この際、テーブルや床がへこまないように注意してください!
ご自宅にハンマーがない場合はハサミの柄を使って叩きましょう!
できる限り毎日花瓶の水を替える
切り花を生ける際の基本となりますが、こまめに水替えを行い、食器用洗剤で花瓶を洗い、花瓶を清潔な状態で保ちましょう。毎日の水替えが難しい場合は切花延命剤を使いましょう!
クレマチスの花言葉は?
続いてクレマチスの花言葉についてご紹介します。
クレマチスの花言葉は『精神の美』『旅人の喜び』『策略』
『精神の美』:弱々しく見えるツルですが、折れにくく大輪を咲かせ、精神的な強さを感じることから、このような花言葉がつけられました。
『旅人の喜び』:ヨーロッパにおいて旅人が快適に一夜を過ごせるよう、宿の玄関にクレマチスを植えてやさしく迎え入れたことからつけられました。
『策略』:クレマチスの葉や茎から出る液体には毒性があり、その液体が皮膚につくと、かぶれる事があるそうです。フランスの物乞いが、わざとこの毒素で皮膚をかぶれさせ、同情を誘ったという事が由来になっています。
クレマチスの種類を紹介!!
クレマチスは見た目の異なる複数の種類の切り花が流通しています。クレマチスの種類を見ていきましょう。
一重咲きのクレマチス
昔からよく出回っているのがこのタイプで、『風車(カザクルマ)』とも呼ばれます。一重咲きのクレマチスは和風な雰囲気が漂います!
八重咲きのクレマチス
八重咲きのクレマチスは一重咲きよりもボリュームよく、ゴージャスな見た目をしています。八重咲きは洋風な雰囲気が出ています。
ベル型のクレマチス
ベル状の可憐なお花を咲かせるタイプです。ベル型のクレマチスは葉や茎にも動きがあり、グリーンとしても使えます。ベル型のクレマチスは『ベルテッセン』とも呼ばれます!
クレマチスは繊細なお花なので丁寧に扱って楽しもう!
初夏を代表するお花であるクレマチスは園芸としても、切り花としても人気があります。品種が非常に多く、様々な花色や咲き方をしていて、お花だけでなく葉や蔓のように伸びる茎も魅力的です。切り花は水が下がりやすいので、しっかりと水揚げ処理を行い、生ける際には茎がクタっとならないように、間口の狭い花瓶で生けると美しく飾ることができます!
他の花材と合わせる際も、動きのあるつるを生かして、軽やかな雰囲気にしてあげると素敵です!