大きな花とつぼみが特徴的で気高く凛と咲く花姿をしているユリの花は、冠婚葬祭の定番で様々なシーンで活用されます。フラワーアレンジメントやブーケなどでも使われ、特にお供えのシーンで見かけることが多いかと思います。本記事ではそんなユリの切り花について解説します!
ユリの切り花の出回り時期はいつ?どんな花?
ユリの基本情報をご紹介します。
ユリの基本情報
ユリはユリ科ユリ属のお花です。和名は百合で、英名はLillyです。「ユリ」は風が吹いた際に花がゆらゆら揺れることから「ユリ(揺り)」と呼ばれるようになり、「百合」の漢字は、花びらが何重にも重なり合う見た目から付けられたと言われているんです!
原産地は北半球の温帯、開花時期は5〜8月と暑い夏場に旬を迎えるお花で、6月の誕生花でもあります。
ユリは一つ一つのお花が大きい上、一本に多数のつぼみが付いているので、とても華やかで豪華な印象を与え、ボリューム感が出るお花です。オリエンタルハイブリッドやカサブランカという品種が人気で、日持ちは1週間〜2週間ほどと長持ちなことが特徴です。お花屋さんでは1年中買い求めることができ、品種によりますが1本1,000円以上することが多い、比較的高めな花材です。
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ユリの切り花を長持ちさせるお手入れ方法は?
ユリは基本的に花持ちのよいお花です。そんなユリを更に長く楽しむための手入れ方法について説明します。
不要な葉を取り除こう!
ユリの花には比較的多くの葉がついています。多くの葉がついていることで、水分や栄養が葉に渡ってしまい、逆にメインの花やつぼみに必要な栄養が不足してしまうことがあるため、不要な葉は取り除きましょう。他の切り花と同様、葉が水に浸ってしまうとバクテリア発生の原因となるので、水に浸かる部分はしっかり取り除くことが必要です。
短く切り、定期的に切り戻しをしよう!
ユリの切り花は入荷時には80cm以上と比較的長めなので、花瓶に生ける際には短めにカットしましょう。お花は短いほど水や栄養が花全体に行き渡りやすくなります。ただ、ユリはあまりにも短いと不格好なので、バランスをみてカットするようにしましょう。
また、夏などの暑い季節は毎日、冬場の寒い時期は2日に1回程度、水を交換する「水換え」を行い、併せて茎を数センチ切り、切り口を新鮮にする『切り戻し』をしましょう。その際、切り口は斜めにカットすることで断面積が大きくなり、水揚がりがよくなります。
咲き終わった花を摘み取ろう!
ユリの花は多数のつぼみが付いており、基本的には下のつぼみから開花するお花です。一つが咲き終えても、その他のつぼみは咲き始めを待っている状態なので、咲き終えたお花は付け根からカットし、他の花に栄養が行き渡るようにしましょう。
咲かないつぼみは取り除こう!
基本的にユリはつぼみまでしっかり咲きますが、硬く閉じた緑色のつぼみは咲きません。そのため、咲かないつぼみを取り除くことで咲き始めを待っているつぼみに栄養を回してあげましょう!咲くつぼみか咲かないつぼみかを見分けるには硬さと色付きで判断しましょう。
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ただ、ユリのつぼみも魅力的なので、全体のバランスを見ながら調整しましょう。
花粉を早めに取り除く!
ユリの花は雄しべの先の「葯」という部分から花粉を出します。葯が開いて花粉が出ることで、花びらが汚れて状態が悪くなってしまうため、花粉は早めに取り除きましょう。咲き始めは葯は硬く、取り除きやすいですが、時間が経過するにつれて細く小さくなり、花粉も吹いてきて取り除きにくくなります。花粉を吹く前に、葯をつまんで取り除いてしまいましょう。
花びらに花粉が付いてしまった場合の対処法は?
花びらに花粉が付いてしまった場合はハケやブラシで優しく拭き取ったり、両面テープで優しく押し付けて取り除きましょう。その際、擦ったりしまうと花粉が広がり、取れなくなってしまいます。また、服や指についてもなかなか落ちにくいので、注意しましょう!
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新鮮なユリの選ぶためにはどこを見ればよい?
続いて、新鮮なユリの選び方について説明します。
雄しべの先に花粉を吹いていないものを選ぼう!
ユリは先ほど紹介した通り、開花に伴い、雄しべの先の葯から花粉を吹きます。葯が開いているか、花びらに花粉がついているかどうか、注意して選びましょう。
葉先がピンと張っているものを選ぼう!
葉の状態を確認することでユリの鮮度を見極めることができます。長細いユリの葉がピンと張ってみずみずしいものを選ぶようにしましょう。時間が経過すると葉が丸まってきます。
花びらの先端にシワがないか確認しよう!
ユリの花は時間が経過してくると花びらの先端にシワが入り、透き通ってきます。そのため、ハリと厚みがあるものが新鮮なサインです。
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ユリの花言葉は?
花束やアレンジメントによく使われるユリの花言葉を紹介します。
ユリの花言葉は『純潔』『無垢』『威厳』
白いユリの花はイエス・キリストの母である聖母マリアに捧げられたとされており、その聖母マリアのイメージから「純粋」「無垢」の花言葉が付けられています。このことから、キリスト教では白いユリの花を「マドンナリリー」と呼ばれています。「威厳」の花言葉は凛と咲く花姿から名付けられています。
また、赤とピンクのユリには『虚栄心』という花言葉がつけられており、こちらの由来もキリスト教に関わるエピソードから付けられています。ユリの切り花をプレゼントする際には花言葉を気にして、選びましょう!
ユリの切り花のまとめ
最後にユリの切り花についてまとめます。
・きれいに楽しむために花粉に早めに処理しましょう!
・茎を短く切り、花全体に栄養を行き渡らせて!
・見た目も香りも長く楽しもう!
ぜひ、多数のつぼみまで咲かせて、長持ちさせてください♪