ミモザは、ポンポンのように丸くふわふわした黄色い小花を枝いっぱいに咲かせるお花です。春を象徴するお花として世界各地で愛され、フランスではミモザ祭りが開かれ、イタリアでは3月8日の国際女性デーに男性から女性へミモザを贈る風習があります。そのため、ヨーロッパの地中海沿岸地域では、ミモザは春の訪れを告げる花として愛されています。
ただ、ミモザは蕾の状態で出回りますが、咲くまでに時間がかかったり、適切にお手入れしてあげる必要があります。本記事ではミモザの切り花を咲かせる方法や長持ちさせる方法、特徴をご紹介します。
最近は日本でも3月8日がミモザの日というのが広まってきていますね。
ミモザはどんな花?
まずはミモザの基本情報についてご紹介していきます。
ミモザの基本情報
ミモザはマメ科アカシア属、原産地はオーストラリアの植物で、和名は銀葉アカシア、英名はMimosa、Silver wattleです。
出回り時期は11月〜3月、旬は2月〜3月で、国内産とイタリア産が出回ります。ここ数年で流通量が急増し、国内産では足りずイタリア産を輸入するようになりました。
ミモザは切り花にしてしまうと水を吸い上げる力が弱くなってしまい、フワフワの状態を楽しめるのは3日〜1週間と少し短めです。
国際女性デーとは?なぜ国際女性デーにミモザを贈る?
冒頭でご紹介した通り、3月8日は国連が定めた「国際女性デー」です。1904年3月8日、ニューヨークの女性労働者が参政権(国民が国の政治に直接・間接に参与できる権利のこと)を求めてデモを行ったことがきっかけで、今日では国連事務総長が加盟国に対して、女性の平等な社会参加ができる環境を整えるように呼びかける日となっています。イタリアではこの日に男性が女性へミモザの花を贈ることが習慣になっています。そのため、3月8日は「ミモザの日」とも呼ばれています。
なぜイタリアで3月8日に贈る花がミモザになったのか、については「イタリアの女性組合のシンボルだった」「この時期に咲く花として手に入れやすかった」「2月から3月前半の肌寒い季節に咲くので強い女性の象徴とされた」など諸説ありますが、春のお花としてミモザが定着しているのは国際女性デーの取り組みがメディアで取り上げられていることが大きいです。
参考:国際連合広告センター 国際女性の日(3月8日)制定に至る歴史とは
ミモザの切り花を咲かせるためには?切り花を長持ちさせるためには?
ミモザは水上がりがよくないお花なので、しっかり手入れしてあげる必要があります。特に切り花の状態はよりこまめなお手入れによって日持ち期間や蕾が花開くかどうかも変わってきます。ここではミモザの切り花を長く楽しむためのお手入れのコツをご紹介します。
①不要な葉や枝は取り除き、短めにカットする
まず、花選びですが、ミモザの蕾は咲きにくいので、購入する際は花が開いたものを選ぶようにしましょう。咲き始めのミモザの場合は、蕾がついています。この蕾は手入れを行わないと蕾のまま終わってしまうことも多く、お世話してあげる必要があります。(お世話しても咲かない場合もあります)
手入れ方法としては生ける前に蕾がない枝や葉を切り落としてあげましょう!そうすることで蕾が付いている枝に水分が回るようになり、多少、花が開きやすくなります。また、枝を短くすることでより枝先へ水分が伝わりやすくなるので、必要以上に長いまま楽しむのは避けましょう!
②切り口を斜めにカットし、切り口に切れ込みを入れる
ミモザの切り花を花瓶に生ける場合、まず切り口は斜めにカットしましょう。斜めにカットし、十字に切れ込みを入れることで断面の面積が大きくなり、水上がりが良くなります。また、切れ込みではなく、ハンマーなどで叩いて潰してあげてもOKです。
ミモザは枝物にカテゴリーされています。枝物は生花と比べると水揚げが悪く、枝物は茎を割ったりするとよいと言われています。
③新聞紙を巻き、水に半日以上浸す
水上がりが悪いお花は花瓶に生ける前に「水揚げ」作業をやりましょう。手順としては次の通りになります。
①切り口の上から花が覆われるくらいまで新聞紙や大きめの紙で包む(写真のように切り口を残し、すっぽり隠れるくらい包み込みましょう!)
※写真はミモザの切り花ではありません。
②深さのあるバケツに水を入れて、花をしっかり浸す(新聞紙が濡れても大丈夫です!)
③半日以上そのままの状態する
こうすることで、水がしっかり上がりシャキッとした状態になります。ご紹介の通りミモザは水上がりが悪いので、他の切り花よりも長めに浸してあげるとよいです。
深めの水に入れると水圧により水を吸収しやすくなるので深めのバケツを用意しましょう。
④できる限り毎日花瓶の水を替える
切り花を生ける際の基本となりますが、こまめに水替えを行い、食器用洗剤で花瓶を洗い、花瓶を清潔な状態で保ちましょう!お水に切花栄養剤を入れるとさらに効果的です。
⑤乾燥に弱いので霧吹きで水分を与える
ミモザは乾燥に弱いので、枝やお花に霧吹きをかけて直接水分を与えましょう。ミモザが旬を迎える時期ははまだ肌寒く、部屋に暖房をつけていることが多いと思います。暖房をつけることにより乾燥が進むと、つぼみや花が固くなってしまいます。また、風が直接当たる場所に置くのも避けましょう。
ここまで手入れしてあげると蕾が咲き開いたり、長持ちしやすくなります。
他の切り花よりも少し手間がかかってしまうので、ミモザだけ別の花瓶に移して管理してあげるとよいですね♪
少し楽しんだらドライフラワーにしてみよう
ミモザはドライフラワー向きのお花と言われています。ドライフラワーにする上での注意点としては花が開き、遠目でもしっかり黄色に色付いているように見える状態のものを選ぶことです。ドライフラワー目的でミモザを購入する場合はしっかり花開いているものを選びましょう。ミモザのドライフラワーはスワッグなどの飾り方がおすすめで人気です。
ドライフラワーの作り方については下記の記事で紹介しておりますので、ご覧ください!
ミモザもドライフラワー向きのお花!ドライフラワーの作り方をご紹介!
ミモザの花言葉は?
続いてミモザの花言葉についてご紹介します。
ミモザの花言葉は『感謝』『優雅』『エレガンス』『友情』『豊かな感性』
感謝という花言葉はイタリアでの花言葉です。国連で定められている「国際女性デー」でミモザを贈り、女性に感謝を伝えるお花として普及していることが理由からつけられました。
ミモザはパッと明るく華やかな、春の訪れを告げるお花
ミモザは春の暖かい季節が近づくと出回る花材のひとつです。生花として楽しめる期間は短いですが、鉢植えやリースやドライフラワーなど楽しみ方は多数あります。鮮やかな黄色をしており、とても可愛らしく華やかなお花でありながら、感謝を伝えるお花であるので、プレゼントに向いています。旬の2月〜3月の時期は是非ミモザを贈ってみてください♪