誕生日、記念日、送別会などで、お祝いや慰労の気持ちを込めて贈られる花束。日常的に他人から贈られることはそう多くないため、嬉しい反面、どうやって飾るんだろうと悩まれた経験はあると思います。そこで本記事は花束の生け方をご紹介します。
花束を生ける時に抑えたいポイント
花束を飾る手順をご紹介する前に、生ける時に大切なポイントを抑えておきましょう。花束は根からカットした切り花が束になったもので、ナマモノです。ポイントを知っておくことが大切です。
水
1番大切なのはお水です。切り花は普通に飾っている状態でも茎や葉、お花から水分を大気中に放出します。これは蒸散と呼ばれ、蒸散によって水が不足していくため、お水を与えることは重要です。また、カットした切り口から大敵であるバクテリアが発生し、お水は汚れていきます。暑い夏場は毎日、寒い冬場は2日に1回程度、お水を替えて清潔にしてあげましょう。
花瓶
花束を飾るのに欠かせないのは花瓶です。花瓶はサイズや色、形など多様なものがありますが、飾る花束の量に適切なサイズを選びましょう。口が閉じているものに多量のお花を生けると窮屈になり、花瓶の口の中の茎が蒸れてしまいます。不安な場合は花瓶を複数用意してあげると良いでしょう。また、水を清潔にしても花瓶が汚れているとお花にとってはベストな状態ではないので、花瓶も水換えのタイミングで洗うことが必要です。
飾る場所
飾る場所も非常に重要です。生けたお花は直射日光を避け、クーラーや暖房などの風が当たらず、気温が低い場所に飾りましょう。お花なので日光を当ててあげた方がよいと思われる方もいますが、大敵であるバクテリアは暖かい場所で増殖するため、直射日光や気温が高い場所ではお花が傷みやすくなってしまいます。また、風が当たるとお花が乾燥し、水分がより必要になります。場所としては、条件を満たすリビングや玄関などが良いでしょう。
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花束をもらった後の生け方はどうすればいい?
続いて、花束をもらった後、生けるまでの手順をご紹介します。
①ラッピングや輪ゴムを外す
花束を自宅に持ち帰ったら時間を置かずに生ける準備をしましょう。外側の包装紙を外すと、茎が麻紐や輪ゴムで縛られていることがあります。そのまま生けると、茎が蒸れてしまい傷みやすくなるため、外しましょう。また、保水剤としてゼリー状の液体が切り口付近に当てられていることもあります。水が汚れる原因となるため、しっかり洗い流しましょう。
②切り戻し・水切りをする
ラッピングを外したら、切り口を新鮮にする切り戻しを行いましょう。切り口はカットした後、時間が経過するにつれて傷んできます。傷むと水の吸い上げが悪くなったり、傷んだ箇所から水が汚れやすくなるため、カットして新鮮な状態にしましょう。切り戻しの際、水の中でカットする「水切り」を行うことで、水の通り道である導管への空気の侵入を防ぐことができ、より水が上がりやすく(吸い上げやすく)なります。バケツなどに水を張って水切りを試してみましょう。
③花瓶に生ける
切り戻しを行ったら、花瓶に水を汲み入れ、生けましょう。清潔な花瓶を用意し、花瓶の口が窮屈にならない程度に飾りましょう。また、水の量は少なすぎると水分不足し、元気がなくなりやすくなり、水が多すぎると茎が腐りやすくなり、お花が傷みやすくなります。お花によって適切な水の量が異なるため、調べてから生けるようにしましょう。
④定期的に水換えし、切り花延命剤を入れる
花瓶の水は飾っているとバクテリアが繁殖していきます。水を綺麗な状態に保つために夏場は1日に1回、冬場は2日に1回程度水換えをしましょう。花束と一緒に切り花延命剤を貰えることがあり、延命剤には栄養補給や抗菌作用など、切り花が長持ちするための成分が多く含まれています。お持ちでない場合でもホームセンターやお花屋さんでボトルタイプを購入できるので、入れるようにしましょう。
⑤切り戻しをする
水換えのタイミングで切り戻しをしましょう。腐った茎や柔らかくなった切り口は水の吸い上げ力が弱っています。生ける際には切り戻しをする前提で茎の長さを残すと良いでしょう。
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花束を飾る時によくある質問
最後に花束を生ける際によくあるご質問についてご紹介します。
花束はどのくらい持ちますか?
お花の種類によって異なりますが、しっかりお手入れした場合、日持ちしづらい夏場は5〜7日程度、冬場は7日〜14日程度楽しむことができます。
花瓶がない場合どうすればよいですか?
花瓶がない場合はバケツやワイン用のデキャンタ、ペットボトルに生けましょう。保水剤が施してあってもラッピングをしたままにしておくのはNGです!
ドライフラワーにするにはどうしたらよいですか?
ドライフラワーとして楽しむ場合は手軽にできるハンギング法を試しましょう。花束をいくつかに分け、不要な葉を取り除いた後、風通しの良い場所で麻紐で吊るすと自然とドライフラワーになります。詳しくはドライフラワーの作り方の記事をご覧ください。
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しっかりお手入れし、おしゃれな空間を長く楽しもう!
自分のことを想い、大切な家族や友人、仲間が選んでくれた花束を貰うことは嬉しく、特別な思い出になります。そんな花束をお家に飾ると、より明るく華やかになり、おしゃれな空間に変身します。お花は非常に繊細で、お手入れ一つで日持ちが大きく変わります。しっかりお手入れして、幸せなひと時を長く楽しめるようにしましょう。