ピンク、オレンジや黄色の可憐なコスモス。秋になるとお花屋さんでも多く出回り、道端でも見かけ、風に揺れている姿は非常に風情がありますよね。本記事では秋の訪れを感じるコスモスの切り花を長持ちさせるお手入れ方法や花言葉、特徴についてご紹介します。
コスモスの切り花の日持ちはどのくらい?どのような花?
まずはコスモスの基本情報についてご紹介していきます。
コスモスの基本情報
コスモスはキク科コスモス属のお花で、和名は秋桜(アキザクラ)、英名はcosmosと書きます。素朴な花姿から和の印象がありますが、実は原産地はメキシコで、明治時代の初期に日本に渡って来たと言われています。
コスモスの名前の由来は秩序や調和を意味するギリシャ語の「Kosmos」から来ています。後に宇宙を意味する「Cosmos」という言葉が誕生するのですが、秋になると野原に一面に広がるコスモスの姿が宇宙の壮大さに似ていることから「Cosmos」と呼ばれるようになったとされています。
出回り時期は8月〜11月頃で、出回り量が一番多くなるのは9月・10月です。ちょうどひまわりの時期の終わりに近づき、入れ替わりでコスモスの出回りが増えてくるイメージです。日持ちはだいたい1週間〜2週間程度で、短くも長くもありません。
代表品種は「ピコティ」「ダブルクリック」「シーシェル」「センセーション」「ベルサイユ」「イエローキャンパス」などです。
咲き方は一重咲きの他に、八重咲きや花びらがくるっと巻いたようなストロー咲きのコスモスも出回ります。
参考:農林水産省「コスモス」
コスモスの切り花を長持ちさせるためには?
続いて、コスモスの切り花を長持させるお手入れ方法についてご紹介します。
中心のお花(管状花)が開ききっていないものを選ぼう!
まず、鮮度の良いコスモスを選ぶために、中央のお花(管状花)が開ききっていないものを選びましょう。開いているものは時間が経過し、咲き進んでいる可能性があります。
ちなみに、周りの花弁を舌状花と呼び、管状花と舌状花が見られるのはキク科のお花の特徴です。
不要な葉や水に浸かる葉を取り除く
コスモスには細かなもしゃもしゃした葉が付いています。植物は葉から吸い上げた水分を大気中に放出する蒸散を行うため、葉を整理することで水分が不足することを防ぐことができます。特にコスモスはお花に対して葉の量が多いので、余分な葉っぱは取り除くようにしましょう。
また、残した葉が水に浸かってしまうと、バクテリアを発生させる原因となるので、水に浸りそうな部分もしっかり取り除きましょう。
花瓶の水は浅めに生ける
コスモスの茎は細く、傷みやすいです。花瓶の水量が多いと、水に触れる部分が広がり、茎が傷みやすくなるため、花瓶の水量は少なめにしましょう。だいたい5cm前後で十分です。
できる限り毎日花瓶の水を替え、切り戻しを行う
コスモスの切り花に限りませんが、こまめに水替えを行い、食器用洗剤で花瓶を洗い、花瓶を清潔な状態で保ちましょう。その際、茎を切り口を切る「切り戻し」を行うことで、切り口が新鮮になり水上がりがよくなるので、切り戻しも行いましょう。切り口は断面積を広げるため、斜めにカットしましょう。
元気がない場合は湯揚げや水切りを
コスモスは水が下がりやすく、不足している場合は茎がくたっと曲がることがあります。元気がない場合は沸騰したお湯に数秒ほど、切り口を浸す「湯揚げ」をしましょう。湯上げをすると切り口付近が変色する場合があるので、茶色に変色した場合はその部分を切り落としてから生けましょう!
切り花を長持ちさせる方法は?漂白剤や切花延命剤の効果なども解説!【お花の知恵袋】
くねっと曲がった茎のラインもコスモスの魅力です。口が狭い花瓶に生けると、まとまり、お花にも負荷がかからず鑑賞できます。
コスモスの花言葉は?
続いてコスモスの花言葉についてご紹介します。
コスモスの花言葉は「調和」「秩序」「乙女の真心」「少女の純潔」
「調和」「秩序」は名前の由来となっているギリシャ語の「Kosmos」が調和や秩序を意味することから付けられています。また、「乙女の真心」「少女の純潔」はコスモスの群衆が秋の野を美しく彩っていることから付けられています。
リンドウの切り花を長持ちさせるお手入れ方法は?特徴や花言葉も解説!【切り花図鑑】
コスモスは大きく3種類に分かれる!
可憐なコスモスは、分類すると大きく3種類に分かれます。
オオハルシャギク(コスモス)
私たちがイメージするピンク系のコスモスです。コスモス畑に行くと、満開に咲いているコスモスはこちらですね。漢字では大春車菊と書きます。
キバナコスモス(黄花コスモス)
花色が鮮やかな黄色やオレンジ色のコスモスです。先ほどご紹介したオオハルシャギク(コスモス)と同じ、キク科コスモス属のお花ですが、別の種類のコスモスです。
チョコレートコスモス
シックな色味をしていて、チョコレートのような甘い香りがするのが特徴のコスモス。キバナコスモスと同様、オオハルシャギク(コスモス)とは別の種類のコスモスです。
コスモスは秋の訪れを感じるお花。葉を整理して飾ろう!
コスモスは秋にしか出回らない、秋の定番のお花の一つです。ワレモコウなど秋の切り花をまとめて飾ることで、趣深く鑑賞することができます。基本的には日持ちしますが、水が下がりやすいので、葉を整理した上で鑑賞しましょう!
柔らかめの蕾はしっかりお手入れすれば咲いて楽しむことができるので、こまめに状態を確かめながら鑑賞しましょう。